社畜日記
5月某日。出勤。
新入社員研修の一環で、取引先の仕事場へ見学に行くため、朝早くから同期とともに上司の車に乗る。2時間ほどかけて到着、車を降りると同期に「じょーねつ、後ろの座席で体がぐらぐら揺れるくらいがっつり寝てて笑った」と指摘を受けるのも、入社以来3回目である。どうも車に乗るとすぐ寝るクセが小さいころからあって、今に至るまでそれが続いている。小学生のあいだは、親の車の後部座席で横になり目をつぶって自分の世界に浸っていたのだけど*1、それ以降は本当にただ寝てるだけになってしまった気がする。俺が自分の頭で物事を考えていたのは、間違いなく小学生のときがピークだ。あれから俺は進歩していない。ますます何も考えなくなっている。
それはともかく、車内で寝てしまうクセ、この歳になるともう治らないのではないだろうか。この前は上司の助手席に座ったにもかかわらず爆睡して、自分でも驚いた。俺は上司の助手席で眠れるタイプの人間だとは思っていなかったからだ。その上司が俺に腹を立てていたかどうか、俺は寝ていたのでわからないが、その後すき家で普通に話してくれたし大丈夫だと思う。俺が思ってるだけだけど。
仕事場の見学が終わり、昼食。弁当がおいしかった。弊社の社食はおいしくないのでうらやましい。
帰路のドライブは起きていた。ブラックコーヒー飲んだからね。
しかしただ目を開けているためにカフェインを摂取するなんて、儀礼のための儀礼というか、心底馬鹿げた行為だと思うが、この茶番感、いかにもサラリーマンっぽい。特に意味もない会議に出席して特に意味もなく発言してみる、みたいな、会議のための会議。発言のための発言。寝てませんアピールのための寝てません。云々。
ああこういう理不尽なシーンを何度も通過しながら俺の社畜力はじわじわと高まっていくのね、と思いながら座席の下のほうでiPhoneの青空文庫リーダーを起動し、社畜力の高まりに抵抗する。別に上司に隠すつもりもなく、割とふつうにiPhoneをいじり続けていた。たぶん大丈夫だと思う。俺が思ってるだけだけど。*2
会社に戻り帰宅。スーパーで半額の値札が貼られていたさつまいもモンブランをつまみに日本酒を飲む。すこぶるうまい。さつまいもは安いしうまいし最高。みんな、さつまいもを広めてくれた青木昆陽にリスペクトを捧げよう。日本史を学ぶとこういうときに役立つのだ。
その後、腰を落ち着けて本を読もうとするも、眠くなったので11時半には寝た。昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういうわけだと歌ったのは井上陽水だが、俺は昼寝をしてもちゃんと夜眠れる。赤ちゃんだからね。