近況報告(もぐらゲームス&稀風社に寄稿しました)
近況報告を2件ほど。
1つ目。バカゲーのレビューを寄稿しました。
バカゲー界の鬼才、復活… ―オンラインACTゲーム「プロフェッショナル警察」
このゲームは人生です。本当におすすめ。
ところで今回寄稿したもぐらゲームス発起人のNoah(のあP)さんとの出逢いというのが奇跡的で、食パンくわえて家を飛び出した俺がのあさんの車にぶつかって多額の慰謝料を請求したことから始まるのですが、そういう嘘はともかく、もともとツイッターで私(@johnetsu)を追っかけてくれていたらしく、アメリカ・アマゾンと回転ケイク氏のUstに俺がゲスト出演してた回もリアルタイムで視聴してくれたそうです。何年前だ。
のあさんはもともと「ゲームのちからで世界を変えよう会議」という意識のレベルがハイそうな団体を運営しておりまして、ゲーム業界各所で獅子奮迅の活躍をされておりまして、しかし実際、そんなガツガツした団体でもなし、もっとたのしく、おまつり感覚で書く場所がほしいな、ということで新サイト「もぐらゲームス」を先月立ち上げたという理解なんですが、そういうことなら俺も書きましょう、と小生もめでたく(?)執筆する運びとなったわけでした。
だいたいこのブログのメインコンテンツたる短歌もオナホ男も黒ロンの記事もメンヘラの記事も、ほとんど他誌への寄稿なわけで、俺は自分から好き勝手に書くぞーってタイプじゃないかもしれませんね。誰かから依頼が来て、それを裏切る形で悪ノリするときがもっとも輝くという最低な人間なので。いやどんな形であれ、頼まれるということは素直に嬉しいです。感謝。
で、もぐらゲームスなんですが、主に同人ゲーム界隈の話題を中心に取り上げていくそうで、フリーゲームには一家言のある俺としても、今後ももぐらゲームスにはちょいちょい書いていくかと思います。市販のゲームには詳しくないけど、フリーゲームはやりまくってたからな。
あとは「坊主めくりって完全にクソゲーですよね」「俳句はバカゲーだよなぁ」みたいな与太話でのあさんとはよく盛り上がるので、そういった珍説・奇説も同サイトに書くかもしれません。よろしくどうぞ。
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もう一つ。以前から邪魔している短歌結社、稀風社にも寄稿しました。
こっちは「キリトリ線のあとの世界」と題して短歌の解説を書いてます。
すずちう氏曰く「今までで関係各位の気合いが一番入った本です」ということで、二人の短歌が異様にキレてるのはもちろんのこと、俺の解説もなかなかのボリュームと明快さを誇っておりまして、江戸の美人画論とプレート・テクトニクス論の融合という文理の枠を超えた立場から短歌について縦横無尽に語るオーソドックスな内容となっているため、全体として「短歌」という概念を知らない方でも楽しめるユニバーサル・コンテンツになったかなと思います。何を言っているのか。
今回は短歌、つまり「詩の解説」なるものを俺はやったわけですが、詩にあれこれと理屈でもって説明つけるなんてどう考えても「野暮の極み」じゃないですか。「下衆の勘繰り」じゃないですか。何書くんだよ、というところで迷い迷い、どうせゲスになるならプレイボーイみたく袋とじにしてくれ、読みたい人だけ読めるようにしてくれ、と思ったんだけども、製本費用が万単位で変わるらしいので断念しました。「キリトリ線のあとの世界」というポエムじみたタイトルの背景にはそうした袋とじの名残りがあるとかないとか。
まあ俺も「稀風社の汚れ役」らしく役割をまっとうできたかなと思ってます。僕がフォローしている中で5月5日の文フリに来られないよ〜という方は本記事にコメントするか、Twitterで@やDM等いただければ助かります。僕の方で取り置きして、直接渡しますので。
本当によい歌集やと思います。ぜひぜひよろしく。
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そして話は飛びますが、今回の「海外幼稚園」に推薦文を寄せてくださった宮内悠介さんのデビュー小説「盤上の夜」が先日文庫化されました。下記はAmazonリンク。
盤上の夜 (創元SF文庫) 宮内 悠介
これ本当にいいのでぜひ。間違いなく現代で小説をやるうえでの正解の1つだと思う。レビュー書こうと思いつつ、難解になりそうで頓挫してるんですけど。
…ものすごく簡単にまとめれば哲学者ニーチェが海の向こうで神の死を宣告、世界が「神ゲー」から「クソゲー」へと堕したことが明白になって以降、ゲームの可能性はもはや2つしかなくなってしまった。さてその2つとは何か?
1つは死んだ神の代わりに新たな神を見出そうとする「新・神ゲー」路線であり、もう1つは神が死んだ世界を引き受けながら全力で遊ぶ「バカゲー」路線である。で、バカゲー路線の一つの回答が、今回紹介した「プロフェッショナル警察」および小生じょーねつが2年前(もう2年経つのか)に書いた「オナホ男」であるとすれば、「盤上の夜」はまさしくもう一つの路線、「新・神ゲー」の極である、という。だからこそ俺が書かねばと思ったんですが、これは難しい話ですね。それはともかくとして。
そんな宮内さんが本誌「海岸幼稚園」に寄せてくださった推薦文が「酸欠世界の新たな処方箋」。これ、僕の解説のテーマとずばりシンクロしていまして、さすが宮内、おたがい違う形で神亡き世界を言葉一本で戦ってきた戦士である、と感じた次第であります。何言ってるんでしょうね。全体的に何を言ってるんでしょう。
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…というわけで以上、もぐらゲームス、稀風社、プロフェッショナル警察、盤上の夜、それから地味に読者数が増えてる当ブログ、全部よろしくお願いします。
こんな並びは一見バラバラに見えるけれども、本当のところ世の中は全部つながっているので、これがバラバラに見えるとしたら、本当はバラバラなのではなく、世界のいたるところにキリトリ線が引かれているから、バラバラに見えてるだけなのかもしれない、というようなことを書いた気がします。よろしく全部。